2017/11/29

在宅介護のリーダーシップ

在宅介護とリーダーシップ?
まったく関係ない、と思われそうですが・・・
リーダーシップ、特にセルフリーダーシップ、これが結構うまくいっている秘訣だと、日々感じています。

十数年前に実母を、現在は義母を在宅介護しています。
十数年前はまだ若かったけれど末期がんで要介護5だった実母、現在は90歳になろうとしている要介護1の義母。日常生活の介護や話したり歩いたりすることのリハビリが必要ですが、食欲はあり体調は安定しています。

リーダーシップ、特に状況対応リーダーシップ®の解説でよく使う図があります。
リーダーシップを発揮する方向は、一方向だけではない、多方向だということを説明するときの図が下図です。

リーダーシップと聞くと、おそらく上司が部下にとか、影響力のある大物が受け身の者に対して発揮する権威や力だと受け取られると思いますが、本来の定義ではそれだけではありません。

簡単に言えば、だれかがだれかになにかをしてほしいときに「働きかけること」、これがリーダーシップの基本的な定義です。

上の図を現在の「在宅介護のリーダーシップ」に当てはめてみます。
まず、お世話になっている方々をリストします。

なにより中心になって助けていただいているケアマネジャーさん、日々の生活をサポートしてくれるヘルパーさんたち、リハビリや入浴を助けてくれるデイサービス、緊急時にも対応してくれる病院や訪問診療の先生や看護師さんたち、短期出張のときにお世話になるショートステイ、そして長期海外出張の多いわたしたちに必要なロングスティ・・・
そしてなにより家族や親族・・・
実母は十数年前に亡くなっていますが、妹弟たちもサポートしてくれ最期まで在宅介護できました。長い間実家を守ってきた母が最期まで実家にいられたことはよかったんじゃないかなと思っています。

義母は日常生活の介護やリハビリが必要ですが、現在のやり方ですくなくとも現状維持していると思います。よく見ると、2,3ヶ月前に転倒して動けなくなっていたときより、動けているように思います。

在宅介護に必要なことは、自分をしっかり保つこと、そのために「必要なことができる体制を整えること」だと感じています。

案外陥りやすい罠は、人の目を気にして、もっと介護しなくちゃ、無理してでもわたしがやらなくちゃ・・・と思うことかなと思います。確かに現実を考えると、そんな罠に何度も陥りそうになります。

でも、そんな自分も自分自身の人生を生きているんだ、と思えば、自分の時間もエネルギーも健康も大事です。手にいられれる様々な資源(リソース)を駆使して、適切なリーダーシップをとってマネジメントすれば、たったひとりではできないことでも、力をあわせてなんとかうまく回るようになります。

在宅介護の分野でも、リーダーシップやマネジメントは非常に役立つ考え方だと思います。